足が震える。

声を発せようとした瞬間、あの人の声が聞こえてきた。

「何しに来た」

「…っ」

あの時と変わらぬ表情と声。

一瞬にして座り込んでしまった。

身体中が震える。

「音っ…大丈夫?」

「何しに来たと聞いている!」

«『逃げて後悔するのは、あなた自身です!』»

「…!」

逃げないって決めたんだ。

強くなるって決めたんだ。

私は聞く。

聞きたい事を。

必ず聞く。

その為に来たんだから。