「ごめんね律くん…付き合ってもらっちゃって…」

「いいよ。音が行く所なら何処へでもついて行く」

律くんが言った瞬間、目的地に着いた。

目的地は、私とママが昔住んでた、あの人と奏さんが今も住んでいる家だ。

「音…まさかっ」

律くんの言葉を遮って、チャイムを鳴らした。

すると、玄関が開いた。

入って来い、て意味なのだろう。

私は律くんの手を引いて、家の中に入って行った。

前と全く変わらない。

広さも、物の配置も。

何もかもが変わってない。