「あ、起きた…?」

目を開けると、隣に律くんがいた。

学校から帰ってきてすぐみたいで、制服を着ていた。

「律くん…」

「熱が下がるおまじない」

そう言って、私のおでこにキスをした。

「…っ!」

おでことおでこをくっ付けて、律くんは言う。

「早く下がってくれないと、音と一緒にいれないでしょ?俺、寂しい」

多分、今の私は顔真っ赤だろう。

恥ずかしい…

「じゃあ、ご飯の時また来るよ」

それだけ言い残し、部屋から出て行った。

恥ずかしさがまだ残ってて、下がってきそうだった熱は、また上がった気がした。

律くんと付き合っているけれど、まだ恋人みたいな事はしてないから、恥ずかしいんだろう。

恋人みたいな事か…

世の恋人達は、どんな事をしているんだろう。

うーむ、気になる…

また眠くなってきた…

もう少し寝よ…

熱下がったわけじゃないし…