ママも、昔は熱出した時卵粥作ってくれて食べさしてくれた。

詩乃さん、ママから聞いていたのかな。

ほんと、感謝しきれない…

食べ終わると、薬を飲んでまた横になる。

優しく頭を撫でてくれて、詩乃さんは部屋を出た。

温かい。

身体も心も、何もかも。

熱を出すのも悪くない。

その分迷惑かけちゃうけど。

だけど、こういう時でないと甘えられない。

「ママ…」

もう少し一緒にいたかった…

沢山甘えたかった…

熱で弱くなった私は、無意識にそう思っていた。

ずっとずっとピアノを聴いていてほしかった…

一緒に笑って、泣いて。

ご飯も食べて。

一緒にいたかった…

ママともっと歩いて行きたかった…

沢山名前呼ばれたかった…

沢山ママって言いたかった…

沢山…

沢山一緒にいたかった…

ママ…

なんで私を置いていったの…?

なんで私を遺したの…?

なんで…

ママともっとずっと一緒にいたかったのに…

ママ…

ママっ…ーー