「えぇい!帰れ帰れ!言った筈じゃぞ!お前には敷居を跨がせないと!」

おじい様の声が、家中に響き渡った。

心配で玄関に向かった。

「おじい様、どうなさいました…?」

「ああ、音ちゃん…すまんの。何でもない」

おじい様の前に、男の人が立っていた。

見た感じだと敦さんとあまり年齢が変わらない感じ。

何処かおじい様に似てる…

「酷いな親父。離婚して住む場所無くなったんだ。住まわせてくれよ」

親父…って事は、敦さんの兄弟!?

「お前は何時も問題ばかり起こすから迷惑なんじゃ!出てけ!」

「君は誰かな?」

「あ…えっと…」