「律くん、コンクールいつ?」

「夏休み中の7月29日。あと2週間」

2週間…

「律くん、やろう」

「うん」

チャレンジする曲は、今までとは違う。

速さ、曲調、全て弾いた事が無い。

2週間で出来るか分からないけど、信じてみたい。

私の実力を。

「音、力抜いて」

「あ…うん」

律くんは凄い。

今弾いてる状態なのに私の事を見ていたり、喋れたりするから。

「はっ」

間違えたっ…

「ごめんなさいっ」

「謝らないで。大丈夫だよ。ここまで弾けたんだからいいじゃないか」

「律くん…」