「律くん、ピアノの練習一緒にしよ?」

「勿論」

「ありがとう!」

手を繋ぎ、私達は律くんのお家へと向かった。

「誌乃さん、ご心配おかけしました」

家に入るなり、私は頭を下げた。

1番心配してくれたのは、誌乃さんな気がするから。

「おっ…音ちゃ〜っ!」

「ふぁ!?」

泣きながら抱きつかれて身動き取れず。

「し、誌乃さん?」

「よかったよ〜っ!音ちゃん笑ってくれなかったからあっ!当たり前だけどっ…心配したんだよおっ!」

誌乃さん…

「すみません…でももう、大丈夫です」

「音ちゃんっ…」

詩ちゃんや詩乃さん、敦さんがいてくれるから。

何より、私の大好きな律くんがいてくれるから。