それから音は毎日泣いて暮らしていた。

泣き止んでいても、目から光が無くなっていた。

「音、ちょっと散歩しよ」

「さんぽ…?」

「うん」

音の手を繋ぎ、家を出た。

「どこ行こうか」

「……」

「じゃあ、近くの公園に行くか」

公園に着き、音を座らせた。

「ねぇ音、このままじゃ琴音さん心配するんじゃない?」

「…っ」

音は涙を流した。

「このままで、琴音さんは喜ぶと思う?」

「律くんに分かるわけっ」

「逃げるな音、現実から」