〈律STORY〉

琴音さんが亡くなると、音は毎日起きている間ずっと泣いていた。

お葬式の間もずっと。

その後の会食の時、親戚達は話していた。

「琴音ちゃんの元旦那さんと娘さん、来なかったわね」

「そうね…ところで、音ちゃんは誰が引き取るの?」

「うちはダメよ。私達だけで精一杯」

「俺の所も。そもそも引き取る義理ないし」

「お父さんの所にやるとか?」

「まぁ、施設行きが1番かもなぁ」

俺は隅っこで光を失った状態の音の隣に居た。

音にも聞こえるくらいの大声でそう話していて、俺はイラついた。