「ただいまー」

「あら、お帰りなさい」

敦さんが帰ってきた。

「音ちゃん、いらっしゃい」

「お帰りなさいませ。お邪魔してます」

「自分の家だと思ってくつろいでくれて構わないからな」

「はいっ」

とまぁお返事するが、無理だわ。

遠慮が勝ってしまう。

「あっ、父さんお帰り」

「おぉ律!ただいま」

「さあさあ音ちゃん!時間も遅いからそろそろ寝ましょうか!部屋に案内するわ!」

「ありがとうございます!おやすみなさい」

「「おやすみ」」

詩乃さんに挨拶すると、案内された部屋に入り、私はベッドに潜り込んだ。

そして、声を上げずに泣いた。

〈音STORY END〉