「うん、辞めない。音とピアノやりたい」

「律くん…」

律くんのその一言で、私はピアノを弾き続ける覚悟を決めた。

やっぱり私、ピアノを弾く運命なんだ。

でも、好きだからいいや。

好きで辞めた訳では無いし。

もう、あの人に教えられなくてもいい。

怒られる事も無い。

恥晒しや出来損ないって言われる事も無い。

馬鹿にされる事も無い。

安心して、ピアノを弾ける。

好きな時に弾いて、弾きたくない時は弾かない。

それでいいんだ。