コイノネイロ

「結果、早く出てくれないかな…」

「落ち着け音。信じるんだよ」

「…うん…」

信じる…

そうだよね…

私なりに弾いたし、感謝の気持ちを伝える為のピアノだった。

だから、どんな結果だろうと、私は後悔しない。

『結果を発表致します。ソロの部ーー』

優秀賞まで呼ばれた時、あの人が笑った気がした。

私の名前が呼ばれなかったから、安心したんだろう。

でも、それでいい。

出来損ないでも、恥晒しでもないってこと、分かったから。

それだけで十分。