コイノネイロ

「音、弾くよ」

「うんっ」

1学期最後のコンクール。

今までの練習の成果を見せる時。

律くんとなら弾ける連弾曲。

間違えても怒られず、褒めてくれた。

だから今の私がある。

この曲は、競う為じゃない。

私にまた、ピアノをやらせてくれた律くん。

私の為に幸せを捨てて、私の為に働いてくれて。

またピアノを始めるって言った時、笑って応援してくれたママ。

詩乃さんや詩ちゃん。

私の事を、今までピアノから守ってくれて、ピアノ始めたら応援してくれた蘭子ちゃん。

皆への、お礼の曲だ。