だけど。

「仮にも親子です。血の繋がった」

「そっか…あいつがプロだから、音にもその血が流れている」

「そうです。プロの血が、音に流れています。確率は今のところ低いですが、練習を続けたら勝てる確率は上がると思います」

ただの推測だが、俺はほぼ確信していた。

初めて連弾曲を弾いた時、俺でさえ時間を沢山掛けなければ出来なかったのに、音はすぐに弾けるようになった。

コンクールの時、音楽に包まれた気がした。

人の心を掴む音楽を、音は奏でられる筈だ。

ーーえ?

「音…」

今、琴音さん…

気の所為…?