車に戻ると、目を瞑ってる音がいた。

一瞬嫌な事を想像したけど、息をしていることに気づき安心した。

「音を琴音さんの所に連れて行かないと…」

「私の所為だ…」

「え?」

「私が音に嫌な態度取ったからっ…」

詩?

「何言ってんだよ。詩は何もーー」

「私が嫌な態度取らなければ音は学校に来る事なくてっ…」

「…詩の事だから教えてはくれないだろう。何があったか知らないが、1つだけ分かってる事はある。詩の所為じゃない。いずれは、音の目の前に現れてたよ」

「お兄ちゃん…」

「たまたま今日で、あそこだっただけの事だ。だから、詩の所為じゃない。音もそう言うよ」

「…うん…」

そう。

琴音さんの事を言ってたからな。