「琴音は何処だ」

「いたっ…」

座り込んで震えている音と、音を守ろうとしている詩。

そして、俺が憧れていた川上健二がいた。

「琴音の所に連れて行け」

嫌がる音をっ…

許さない!

「んな事させるかよ!」

俺は後ろから蹴りを入れた。

詩に音を任せ、俺は川上健二に向き合う。

「誰だお前…」

ゆっくり立ち上がるのを睨み付けながら俺は答える。

「知りませんか?あなたと何回もコンクールでお会いしていますが」

「コンクール…?」

「大空律です」