〈律STORY〉

まだ学校にいる筈の詩から電話が掛かってきてびっくりした。

出ると焦った声の詩。

『お兄ちゃん早く来て!』

「詩?どうした?」

『音が!』

『嫌っ…苦しっ…』

「…!」

詩の声の後に、音の声が聞こえてきた。

それと同時に、俺の体が動き出した。

「お坊ちゃま!?あ、律様!?」

「お願い車出して!急いで!」

「か、畏まりました!」

「俺先に行ってる!あそこに向かって!」

待ってる時間なんて無い。

早く、早く行かなきゃーー