「音、琴音は何処だ。琴音の所に連れて行け」

「やっ…だっ…来なっ…いでっ…」

「来るな!帰れ帰れ帰れ!」

「ちっ…早く来いよ!」

「んな事させるかよ!」

「ぐあっ!」

ーードサッ

隣にあの人が倒れ込んだ。

前を見ると、凄い形相の律くんが立っていた。

「お兄ちゃんっ!」

「詩、音を頼む。近くに車あるから連れて行け」

「分かった!音、行こ!」

「はあっ…律くっ…」

「お兄ちゃんなら大丈夫だよ。早く行こう」

詩ちゃんに連れられ、私は車に乗り込んだ。

乗り込んだ瞬間、安心した所為か、意識を失った。