「あんた、音と何の関係があるんだ!」

「部外者は黙ってろ。音、無視は良くないよ。なぁ。言えよ、私の所為で奏がピアノ下手になりましたって」

「はあっ…はあっ…違っ…わたっ…しのせっ…いじゃっ…」

「お前の所為だ。お前が琴音を連れて行かなければ、奏は下手になる事はなかったんだ」

「琴音…?音のお父さん…!?そんなの考える暇無い!誰かっ…あ、お兄ちゃんに電話!」

「さっきからうるさい。黙ってろ。なぁ音。琴音を返せ」

「嫌っ…はあっ…苦しっ…助けっ…」

「音っ…帰れ!音をいじめるな!琴音さんは音の母親だ!返す事は出来ない!」

「ちっ…邪魔だな」

「きゃ!」

目の前で、詩ちゃんが突き飛ばされた。

守りたいのに、身体が動かなくて、頭が真っ白になった。