「ーー…っ!!!」

「ん?どうしたの?」

「あ…ああぁ…」

「久しぶりだな、音」

目の前にいたのは、あの人だった。

足に力が入らなくなり、私は座り込んだ。

「はあっ…はあっ…」

「奏がピアノ下手になったのは、音の所為だからな?」

「奏…?音?大丈夫?」

「ちっ…がっ…はあっ…はあっ…」

声が出ないっ…

「違くない。お前の所為だ。お前がいたから、奏は下手になったんだ」

「うあっ…はあっ…」