階段を登っていると、笑い声と泣き声が聞こえてきた。

足を忍ばせて近づいてみると、女子グループらしき人が5人に対し、1人の女子を囲っていた。

リーダーらしき人がその女子を蹴飛ばした。

そして顔が見えた。

「詩ちゃん!」

潜入調査とか関係ない。

私はドアを開けて詩ちゃんに近寄った。

「大丈夫!?」

「ごほっ…げほっ…な、なんで…あんたがここに…」

「誰よあんた」

「詩ちゃん、いじめられてたの?そうなのね?」

詩ちゃんは黙ったけど、微かに頷いた。

そして、私の中で何かが弾けた。