分かっている。

が俺と同じ気持ちを持っていないことは。

俺の気持ちがあまりにも、重いせいか

雅実の、気持ちが軽いのか

いずれ同じになるのだろうか。

その“いずれ”が遠ければ遠いほど…

雅実は他の人を見てしまうのではないか。

近づいたと思っていた。

ロードバイクで振り向いた雅実に。

やっとここまで来たんだ。

俺は彼女と結婚したい。

早く。出来るだけ早く。

…だけど、どうすれば早く雅実が俺を好きになってくれるかは、全く分からなかった。

気持ちの比重が違うのは、…明白だった。

雅実に

『0が分かったとしても。雅実の口から言って欲しい。僕を…好きになれば。自分の耳で、ちゃんと聞きたいんだ。』

そう言った。

勿論、まだ聞いていない。

…雅実から…連絡も、無い。

このまま…どうしたらいいのか、わからなかった。

何が正しいのかも。