…好きだった。

それを伝えるのも

会いたいと言うことも

自分の気持ちを押し付けただけだったのだろうか。

あの店の前を通っても、そこにはもう雅実の姿は無かった。

同じ比重。

俺の気持ちが、重たすぎて…

同じになるなんて、とてもじゃないが考えられなかった。

雅実が、好きなのは…

俺の顔だけ。

ならば、もし…

もし…

俺と同じように雅実の好みに当てはまる“イケメン”とやらが現れたら?

俺の性格が嫌で“NO”を出そうとしていた雅実は…

その人と結婚を決めるのだろうか。

“結婚したいだけ”

だけど…俺と結婚するには

“同じ比重”の気持ちが必要だ。

そんな時間が必要、もしくは…同じにならない可能性もある条件下で…

早く“結婚したい”雅実が…

俺を選んでくれる可能性など…ないに等しい。