【雅実との次の約束は、どうするー?】

家に帰るとSS0が言った。

「少し、考えようかと思ってる。」

【何をやねん。】

「必死でやって来たけど…雅実にとって…どうだったのだろうか。」

この前は楽しそうだった。

それに、彼女からもキスを…

したいと思ってくれた。

【楽しんでた。少なくとも俺にはそう見えた。】

分析上もということか。

俺の目にもそう見えた。

だけど、“押すだけでは駄目だ”と、

あの日、散々しつこくしつこく品川さんは、雅実の事を聞いてきた。

そして、そう言ったのだ。

“NO”を出されたら終わり。

その言葉が、何も出来なくさせた。

【あのなぁ、あの…品川とかいうねーちゃん…】

「何だ?」

【いや、まぁ、ええわ。1つだけ言うとく。】

婚活AI()にとって、将来的に子を持つなら、相手は誰でもええんや。】

「……。」

【それは、雅実(向こう)の0もそうやねん。】

「……それは、僕と雅実が上手くいかなくても…」

【せや、人間はデータ解析では何ともならん。つまり…誰と結婚したいか、それは全て…】

ああ、そうか。

It depends on you.(お前次第。)