席に着くや否や、彼女は言った。

「実雅さん、今、マッチング中でらっしゃいますよね?」

「ええ、まぁ。」

ほぼ初対面であるにも関わらず、既に僕に対しての呼び方が変わっていた。

「年齢的に、少し早く無いですか?0を活用されるのは。自由恋愛でも…」

「ああ、急ぐ理由があるので。」

「かなり、厳選されて…出会われたお相手なんでしょうね。」

「まぁ。」

「私も、そろそろ0を、と思っているんですけど、参考までに…どのような条件を出されたんですか?」

「特に。」

「特に…?条件出されたなかったんですか?」

「まぁ。」

「それほどまでに、結婚されたいのですか?」

次から、次へ投げ掛けられる質問に…

SS0の言葉を思い出した。

“興味があるから質問する”

だが、彼女の興味は“俺”にではなく“婚活”にということか。

「ええ、まぁ。」

そう答えた。