次の約束はまだ無い。

だけど、そろそろ…私からも誘ってみようかな。

そう思っていた。

仕事終わりに、時々足を運ぶ店へと入った。

レトロなAIが、妙に可愛いお気に入りの場所だ。

ゼロを起動して、食事を取った。

人と、AIがコミュニケーションを取る事は今や珍しい事ではない。

だけど、ここにあるのはコミュニケーションを必要としないもの達だ。

「実雅です。」

ゼロの言葉にそちらに目を向けると、彼の姿。

こんな、偶然に嬉しくなって

直ぐに、手を上げようとすると…

彼の後ろから、ひょこっと顔を出したのは…

可愛らしい女性だった。

慌てて手を下げた。

だけど、私に気づいた彼がこちらに近づいて来た。

それに、彼女が続いた。