パチャン

川から音がして、目を移すと、もう一度

パチャンと何かが跳ねた。

「魚!?」

「言ってみようか。」

田中さんがそう言って、川の方へと歩き出す。

私達のいた場所から、整備された川へと傾斜になった道を下りる。

先に下りた彼が手を差し出す。

そこに、自分の手と少しの体重を預けた。

初めて触れる手が恥ずかしい。

遠くから見ると、水面が白く光って中は見えなかったけど

「よく見ると、結構いっぱいいるー。」

すばしっこい。

小さい魚に…

「跳ねたのは何だろう。」



【残念ながら、外来種。定期的な処分対象やな。】

0が答える。

「あー…そっか。」

【増えても困る、減っても困る。種の維持はどの種でも大変やな。】

本当…そうだな。

勝手に連れてこられたのにな。

それに…在来種の維持には、人工的な力が必要…か。

私達も…

随分と、弱い。