「彼女が0を使ってるとしたら、何とかマッチング出来ないのか?」

俺のIQをもってしても、出せた結論がこれだけだった。

漸く分かった。

俺には…難がある。

IQだって、生身の人間を前にしては…

恋愛事に関してはその働きは一切役に立たないと。

こんな小さな、茶缶サイズの…

無機質なヤツに頼らざるを得ないと。

【…やってみよか…。】

まるで…神にでも祈るように結果を待った。

こちらが、向こうを弾かないように…俺の方の条件は

“年齢”と“地域”のみにしておいた。

【あかんなー。】

そう言われ、こちら側の条件は

“誰でもいい”に変更した。

【あかんなー。】

頭を抱えるしかなかった。

彼女の出したら条件…

それさえクリア出来れば…

【あー…詳しくは言えへんけど…自分にとっちゃあ、一番の難問が入ってる。ねーちゃんの条件に。】

ああ、詳しく言って貰わなくても分かる。

俺は完璧だ。

そう思っていた。

彼女以外の女性から来る、数々のマッチング希望からも。

つまり、データでは分からない部分。

「性格…か。」

【著しく欠損してる。故の、(SS)

「努力する。」

【うん、でもその間に成婚する可能性は捨てられへんで?ねーちゃんが。】

0の言葉に…再び絶望が襲う。

【ほんま、ポンコツやな。ええわ、もう…そうなれば前以て言うたるわ。特別支援(SS)やし。何とかするわ。】

そこから、努力をした。

今までしたことない努力というものを。