【カップル毎に0から課せられる成婚の条件があります。】

「へ?そうなの?」

【成婚には、かなりの予算がかけられていますからね。成婚によるサポートを望む偽造を防ぐ為です。】

「ああ、確かに。」

【どうすれば、2人が上手くいくか。それは、0無き後、つまり…結婚後の話です。成婚しても、その後が上手くいかなければ、子供は期待できません。】

「じゃあ、結婚後もサポートしたらいんじゃない?」

【0は婚活様に開発されたAIです。】

「ほぉ。」

【人によっては、どちらかの気持ちが大きい方が上手く行く。気持ちだけでないカップルも。それ故にカップル毎に条件は異なります。】

「なるほど。」

【0成婚した人から0成婚への情報を聞いても、無駄ということです。】

「で?私達は?」

【お互いの気持ち。同じ比重。】

「ある意味、今同じなんじゃない?どうでもいい。」

【恋の比重。】

「とてもじゃないけど…無理じゃない?」

【彼は、この“正解”をとっくにご存知です。】

「……。」

【あなたはまだ“N0”を出していない。】

「……。」

【あなたの目標は“成婚”】

「はい。」

組織ぐるみで丸め込まれた…

そんな気がした。