「あ、いつもより今日は手が熱いよ。雅実、熱があるんじゃない?」

「え、そうかな。最近ちょっと体調が良くないんだよね」


【今日からお世話になります】
そう言って届いたのは………


【おめでとうございます、ご懐妊です。私は政府からのお祝いAIのoneです】

「え、えぇ!?」


いつか見たことあるのようなプロジェクトマッピングが…


相変わらず、それには気にも止めずに実雅さんは固まっている。

「one?」

【ええ、おめでとうございます、実雅】

「…おかしいな、あんなに望んで…だけどいざそうなると……」

「うん」
そっと実雅さんを抱き締めた

「親に…なるんだな」
「そうだね」

「雅実と、二人で…今度は俺達が…ああ、ごめん。なんて言っていいか分からない」
「うん」

「……出逢えて、良かった」

私たちが喜びを噛み締めるその横で…


森のクマさんが、バイオリンの音色を響かせた。

0の申し送りは…クマさんだったのだろうか。
なんて、少し笑える。