「それにしてもさ、何でカップル毎に条件が違うのってやっぱりそうしないと続かないの?」


【んー、そうやな。俺らの作られた目的は“成婚”じゃなく“出生率”増えたらいいってもんじゃない】

「そうなの?」


【全ての子供は愛の元へ遣わされるべきで、
今それが地球上の課題であり、目標であり

そして、何より本来あるべき位置。結局、何もかも最初から備わってる。それに気づけば…】

「便利になればなるほど、失うものは多いのか?」

【“失うもの”じゃなくて、“見失うもの”やな。(0)を作った人も…ポンコツやったで?だから故の偉大な発明や】


成婚()の先にあるものを

私たちはこれから確かめる。
二人で。

この手の温もりに、大丈夫だって分かる。

「見失ったら、また…こうやって手を繋ごう」

そう言った彼を見上げた。