【便りのないのは良い便り】



SS0がそう言うのに顔を上げた。

いつの間にか、俺よ目の前の画面がスリープしていて、ボーッとしていたのだと気づく。



「なんだ?」

【もし、雅実があっちの男と何かあれば、お前に必ず連絡があるようになってる。連絡が無いという事は…“何もない”って事や】

「だと、いいんだけど」



そう言って、ため息を吐いた。

“恋人”なら“行くなよ”なんて、言えたのかもしれないな。





【雅実を誘うか?それとも…】

「誘う」

SS0の問いに間髪開けずにそう答えた。



【good.いつにする?】

「日曜」

【OK.じゃあ、連絡しときます】

「いや、俺がする」





このタイミングで誘うと、そちらの男性とどうなったのか、探るようだけど…



それも、多少はあるけれど

やはり、単純に俺は…雅実に会いたかった。





だから、誘おうと思った。

相手の気持ちを考えられていない。



だけど、会いたいと伝えたら…雅実ならきっと、“会いたい”か“会いたくない”のかは、答えてくれると思うから。



『日曜、会いたい』

雅実にコールして、そう言った。



『私も』

雅実もそう言ってくれた。



だから、これでいいのだと思う。