【実雅以外にも“イケメン”はおる。それに…それくらいで駄目になるなら、成婚は無理やで】



あの日、0は雅実に他の男性と会うように勧めた。



半分は自棄になって俺も同意した。

マッチングの関係はとても危うい。



あるのは…他の男性と会うという報告だけ。

むしろ、無い方が良くないか?





『今週、その男性と会う』

そんな事を聞かされては、今週ずっと…何も手につかないのでは、そう思うほど、気になって仕方がない。



“今週”は金曜日までなのか

それとも土曜日?

月曜日始まりのカレンダーもあるくらいだ。

日曜日も“今週”に含まれるのだろうか。



ふーっと、ため息を吐いて、ソファに座った。



【まぁ落ち着いたらどうや?】



「なぜ、他の男性と会うことを推進したんだ」



【人間っておもろいもんで、どんだけ幸せの絶頂期に結婚しても、歪みが出てきた時に“選ばなかった方”を思い出す。そして、あっちを選んだ方が幸せだったのではないか…なんて、思うもんや。それは選ばなかった方を消化してないから。つまり、長い目で見てこれは必要なステップや】



「雅実の好きな“イケメン”なのにか?そちらを好きになったらどうするんだ」



【お前は?実雅。あの品川のねーちゃん、好きか?】





SS0の言葉に、苛立ちを覚える。



「お前までそんな事を。分かっているだろう?」