そこから雅実は、なぜかまた品川さんの話を始めた。



「飲食店で偶然出会った日…品川さんと一緒でしたよね?」



「そうだけど」



早く、俺達の話をしたいのに。

あの日の、状況を1つ1つ見たままに指摘され



挙げ句…

「すぐつまづくなら、手、手繋いであげたらいいでしょ!?」



……そう言った。

雅実は手を繋げと。

品川さん…と…





雅実と繋いだ手を離すと

俯き、頭を抱えてため息をついた。

他の女性と手を繋げと、雅実は平気で言った。

これは、“NO”と言われているのだろうか。

そう思う程に、胸が痛む。





「…“いいもんだね”そう思うのは…俺だけなの?」



触れた手をすぐに離した。

手を繋ぐのは…実際、意味などない。



触れたいと思うからだ。

好きだと…思うからだ。







「田中さん、品川さんの事を好きなわけでは…」



挙げ句、雅実からは信じられない言葉。



どこで、なぜ?

俺がいつ?





「理解が出来ない。これも、俺のせい?」



もう一度ため息をついて…



「そうなんだろうね。…俺が悪いのは、分かる。だけど…どうしてそう…」



どこで、それがそんな風に伝わったのか。



「僕はあなたが好きです。」



雅実が好きだった。

ずっと…ずっと。

マッチングする

…ずっと前から。