「何?」

雅実は明らかに待つ気がないように0に話す。

【シナプス】

「はい?」

【働いてない、お前らの脳が。】

「はい?」

俺はともかく、雅実も?

【雅実はともかく、実雅はIQは高いはずや。】

確かに。だけど…品川さんと話すようになってアドバイスを貰うようになってから

雅実に関しての俺の思考は停止したままだ。

【実雅はともかく、雅実はコミュニケーション能力はそこそこ。】

痛いところを突かれ、居心地が悪い。

【店、出るぞ。とりあえず目の前の飲み物飲んどけ。】

言われるままに、お互い目の前の飲み物を飲み切った。

【手、繋げ。】

「「はい?」」

声が揃う。

【手や!】

「「はい…。」」

雅実の手を取ると

俺より一回り小さな、柔らかい手。

少しひんやりしている。

停止したままの頭でも

この手が特別で、離したくない。そんな感情が溢れる事が分かった。

ひんやりとした雅実の手に俺の熱が伝わり、直ぐに同じくらいの温度になった。

“同じくらい”

気持ちはそうはならなかったのか。