どういう事だろう。

…あの、品川さんとは?

聞かないといけないことはまだまだあるけれど…

とりあえず食事。

箸を持とうと、繋がれた手を引く。

すると、その倍ほどの力で田中さんがそれを阻止する。

「何?」

低く、あからさまな不機嫌な声に

少し身を縮めて小さくなる。

「…食事に…お酒も…利き手が…」

「ああ」

相変わらず低い声。

何だよ、食べたらダメなのか。

「…そうか、人間だったね」

はい?

出た、この失礼な発言。

「ええ、どう見ても不揃いな人間ですけど」

「何食べたい?」

スルーするなっつの。

「ヤングコーン」

「はい」

「はい?」

目の前にヤングコーン。

ガーリックとバターの香りが香ばしい。

「……食べないの?」

「いえ、自分で。」

「…あ、そう」

相変わらず不機嫌な声で私の目の前にあったヤングコーンは田中さんの口の中に消えた。

その何種類かの野菜の盛り合わせの中にヤングコーンは数本しかない。

私の、ヤングコーン……

「あ、美味しいな。」

そう言って田中さんがもう一つのヤングコーンに手を伸ばした。