スケルトンの最速エレベーターで到着した、田中さんの部屋は

最新型のモデルルーム…?

ここもAIがしっかり管理を?

「あまり、物を置いてないんだ」

そう言われて、失礼なくらいキョロキョロしていた事に気づく。

0が適当に手配してくれた飲み物と食べ物。

とりあえず、生命体は…

私と田中さんだけ。

つまり…

部屋に二人きり。

【着いたら起こせ言うてんのに。お前らも寝たんか?】

「起きている」

「起きてます」

【見たら分かるわ、ボケ】

「お前に目はないだろう」

【心の目じゃ、お前にはないやつじゃ!】

「何が…間違っていたんだ?」

【順に行こうか。この前のロードバイクのあたり、楽しかった人ー?】

「は、はーい!」

子供みたいに手を挙げた。

田中さんも無言で手を挙げた。

【それから、会ったのは?】

「ちゃんと約束をして会ったのは…今日です」

【ロードバイクの日は楽しかった。つまり、“NO”出す気はなかったって事や。それが今日までに…こうなった。それは、なぜか。はい、実雅君!】

「…分からなくなってしまって…その…これで良かったのか。」

【良くないから、こうなっとんやろ、ボケ!】

0が容赦なくボケボケ連発している。