「いいもんだね。」

繋ぐ手に少し力を込めて、彼はそう言った。

【とりあえず、家。実雅の。そっちの方が綺麗…いや、都合がええ。適当に食事と飲み物は手配する。】

綺麗…って言いかけたな。

ほんと、最近よくディス…

いや、事実だ。

我が家は今、Roombaの限界状態だ。

「家? なぜ? 」

田中さんが、そう聞いた。

【ちょっと、INとOUTを照らして話がしたい。でないとややこしい。】

そう言って、0は…寝た。

【着いたら、起こしてー。ブィッシュイーン】

「何か、ごめん。」

田中さんがそう言った。

「何が、ですか?」

「多分、俺が…その…駄目なんだ」

そう言った。

…憂い顔すら美しい彼の顔に

すっかり自信を失くした自分の容姿があまり彼の視界に入らないように、少し下がった。

全角度完璧。

町行く人が振り向く。

同時に移される視線は、繋いだ手、私の…容姿。

分不相応…か。

事実だ。

それも、また…事実だ。