「何?」

イライラをそのまま0にぶつけてそう言った。

【シナプス】

「はい?」

【働いてない、お前らの脳が。】

「はい?」

今度は、田中さんがそう言った。

【雅実はともかく、実雅はIQは高いはずや。】

…最近、ディスられてばかりだ。

いや、事実か。

【実雅はともかく、雅実はコミュニケーション能力はそこそこ。】

…田中さんは…確かに。

田中さんが、居心地悪そうに視線を左右に動かした。

【店、出るぞ。とりあえず目の前の飲み物飲んどけ。】

言われるままに、お互い目の前の飲み物を飲み切った。

【手、繋げ。】

「「はい?」」

声が揃う。

【手や!】

「「はい…。」」

田中さんが私の手に触れる。

同時に合った目にふわりと微笑む彼に…

何かが見えた気がした。

あれ?

何だろう…えっと。

『僕は、あなたが…好きです。』

思い出したのは、そう言った田中さん。

手から?

それとも、瞳から?

…今、また……そう言われた気がした。