マジですか…。

と言うか、こんなウソみたいな偶然があるんですか…。

「もしお邪魔じゃなかったら、ご一緒してもよろしいでしょうか?

今日の仕事はもう終わりましたので」

両手で頭を抱えたくなっていたら、奥原さんが言った。

「そうなんですか、それはいいですね」

芳樹さんが嬉しそうに言った。

いや、何がいいんですか!?

「明穂ちゃん、いいよね?」

そう言って確認をとってきた芳樹さんに、
「え、ええ、構いませんよ…」

私は首を縦に振ってうなずくことしかできなかった。

何これ、地獄ですか?

質が悪いホラー映画や怪談よりも地獄なんですけど…。

「ありがとうございます」

奥原さんが私の隣に腰を下ろした。