おいおい、何でなんだ?

何で奥原さんがここにいるんだ?

えっ、まさかのストーカーですかい?

だとしたら、めちゃくちゃ怖いんですけど…。

「奥原さん、ご無沙汰してます」

芳樹さんは椅子から腰をあげると、奥原さんにペコリと頭を下げた。

「お久しぶりです、お兄さん」

奥原さんはニコッと笑うと、頭を下げた。

笑顔を見たの初めてなんですけど。

無表情しか見たことがないので何だか気持ち悪い。

「明穂ちゃん、奥原さんを呼んだのかい?」

そう聞いてきた芳樹さんの質問に答えようと口を開いたら、
「いえ、先ほどまで取引先と食事をしていたんです。

見たことがある人がいるので近づいたら彼女がいたと言う訳です」

奥原さんが答えた。