「こう言っちゃあれだけど、減量中のボクサーかよって思ったよ」

「ですよね」

私は食前酒を口に含むと、
「それが今では、節約しなくてもよくなったと言う訳ですよ。

経済的な理由はもちろんのこと、生活的な理由でもお金の心配はしなくてもよくなりました。

夢のまた夢だと思ってたアニメ三昧ゲーム三昧、イベントの参加や遠征は好きなだけできちゃう。

費用は全て奥原さんの財布から出してもらってます。

『小町家』は助かるし、私もオタク生活を満喫できて超ハッピー、まさにウィンウィンです」

両手でピースサインを作ると、人差し指と中指の先をクイクイと動かした。

「奥原さんはどうなの?

明穂ちゃんが自分のお金を使っていることに何にも言わないの?」

芳樹さんが心配そうに聞いてきた。