ロマンスの王子様

奥原さんの唇が離れたのと同時に、私は閉じていた目を開けた。

「――明穂…」

優しい目で私を見つめて、名前を呼ぶ彼の姿があった。

「――賢志郎さん…」

それに答えるように、私は彼の名前を呼んだ。

「好きだ、愛してる…」

そう言った奥原さんに、
「私も、あなたが好きです」

私は言い返した。

「夫婦になったんだな?」

「時間はかかっちゃいましたけどね」

「でも…」

「大切なのは、これから…ですよね?」

さえぎるように言い返した私に、
「あんまり生意気なことを言うな」

奥原さんはフフッと笑った。

「それ以上のことを言われたら、俺もどうすればいいのかわからない」

「えっ、はい…?」

戸惑っている私に、奥原さんはクスクスと楽しそうに笑った。

☆★END☆★