もっと俺を、好きになれ。


明るくて天真爛漫な姉ちゃんは、母親が出てってツラいはずなのに俺の前では一切泣き言なんて言わずに、涙だって見せたことがない。

俺の前ではいつも明るい姉ちゃんだった。

風邪を引いた時、寝ずに俺の看病をしてくれて、一晩中そばについててくれたこともある。

思春期で手がつけられなかった俺を本気で叱ってくれたのもまた、姉ちゃんだった。

俺が中学生の時、バスケの試合の応援にもきて、全力で応援してくれた。恥ずかしくてたまらなかったけど、カッコいいとこ見せなきゃなと思ってがんばれた。

ムカつくこともあるけど、俺にとって姉ちゃんはかけがえのない存在でたった一人の家族だ。

家は普通の分譲マンションで、学校からはチャリで二十分の距離。体力づくりのために基本的に学校へは走って行ってる。

遅刻しそうな時や面倒な時だけチャリ通学。

生まれた時からずっと住んでるから、この街に馴染みもある。家のことは全部姉ちゃんがしてくれるし、お金は父親が多すぎるくらいの生活費を渡してくれる。

やりくりしてるのは姉ちゃんで、俺はその中から小遣いだってもらってる。我慢せずに友達とだって遊べるし、生活に困っているわけでもない。

なんの不満もないはずなのに、なぜだろう。俺の心の中にはいつもなにかが足りない。