「え?」
斎藤くんにも合わない人がいるの?
「俺、結構好き嫌い激しいよ?」
斎藤くんは輪の中心で笑っていて、楽しそうで、まさかそんなふうに思っていたなんて、あたしは心底驚いた。
でも普通に考えたらわかる。斎藤くんだって人間なんだ。当然、合う人、合わない人はいるだろう。好き嫌いがあるのも頷ける。
微塵もそんなことを感じさせなかった斎藤くんは、ある意味すごいのかもしれない。
でも、それだと余計に、あたしのことをどう思っているのかが気になるよ……。
嫌われてはいないと思うけど、好かれている自信もない。
「ごめん、突然こんなこと言って。叶ちゃんの中の俺のイメージ壊した?」
「ううん、そんなことないよ。斎藤くんのことが知れてすごくうれしい!」
だからそんな寂しそうな顔で笑わないで。
「人間だもん、そんな部分もあって当然だし、すべての人と仲良くするなんて無理だよね。あたしは愛想よくできないから、合わない人に笑顔を向けることができる斎藤くんのことを尊敬しちゃう!」
思わず力説すると、斎藤くんはビックリしたように瞬きを数回繰り返した。
「ご、ごめん、熱弁しちゃった……でも、そんなことは気にしなくていいと思うよ。斎藤くんは斎藤くんのままでいいと思う。あたしは、そんな斎藤くんも好きだから……」



