もっと俺を、好きになれ。


この様子からすると、斎藤くんからってことだよね。

『今日の放課後空いてる?どっか寄ってかない?』

メッセージを開くと斎藤くんからで、その文字が信じられなくてただただ画面を凝視する。

う、ウソでしょ。

これを、あの斎藤くんが……?

まさか、こんなふうに誘ってもらえる日が来るなんて夢みたい。

視線を感じてパッと顔を上げると、斎藤くんがまっすぐにこっちを見つめていて、あたしは大きく何度も頷いて返事をしてみせた。

するとおかしそうに斎藤くんが噴き出して、周りにいた友達から「どうしたんだよ、おまえ」と突っ込まれる。

「いや、なんでもない」

「なんでもないのに笑うなよ、ビックリするだろ」

斎藤くんはあたしから視線を外すと友達との会話に戻っていく。

あたしは未だに信じられない気持ちでいっぱいで、夢じゃないかと何度も何度もスマホの画面を見返した。

だけどたしかにその文字はちゃんとそこにある。

夢じゃないんだ、夢じゃ……。

つい口元がゆるんで、さっきまでの不安が一気に吹き飛んだ。

ああ、あたしってなんて単純なんだろう。斎藤くんからのメッセージひとつで、こんなにも舞い上がるなんて。

あたしは自分のことを、感情の浮き沈みがない冷静な人間だと思っていた。感情を外に出すのが苦手で、表情があまり変わらないからクールに見られがちで、とっつきにくく思われてしまう。

でも今は自分でも単純だと感じてしまうほど、感情が顔に出てる。

斎藤くんのことになると、どうしても抑えきれない。

まだかまだかと今日の授業が終わるのを待ちわびた。