え?
こ、これって、告白……?
どうして、そんないきなり。
初対面なのに、信じられない。
でも真剣かどうかは、震えている彼の指先を見たらすぐにわかった。
告白されるのは初めてじゃないけど、緊張感が伝わって来て思わず肩に力が入ってしまう。
「つ、付き合ってくれなんてそんなことは言いません。でも、よかったら連絡先を教えてくれませんか? まずは僕のことを知ってほしいんです」
「…………」
小暮くんは不安気に眉を下げて、チワワのような潤んだ目をあたしに向けてきた。
「お、お願いします!」
ガバッと身体をくの字に折り曲げた小暮くんのつむじを、緊張した面持ちで見つめる。
どうしよう……。
断ったら傷つけることになる、よね。
こんなに必死なんだから、連絡先ぐらいで抵抗を感じることはないのかも。
で、でも……。
期待させるのは悪いよね。
だけど、連絡先ぐらいであれこれ考えるほうがおかしいのかも。
そう思い直してブレザーのポケットに手を入れて、スマホを取り出そうとすると──。
「ダメ」
後ろからあたしの動きを制止するように手が伸びてきた。そしてスマホをつかもうとした方の腕を引っ張られる。
ビックリして振り返ると、そこにはいたのは息を切らした斎藤くんだった。
「さ、斎藤くん……!」
どうしてここに?
部活中なんじゃ?



