「なにそれ、超シラケる」

「すみません………」

ごもっともだ。あたしが邪魔をしてしまったことには変わりない。でも無意識に身体が動いたの。

嫌だった、この人のものになるのが。

あたしに対しての返事を聞く前に、斎藤くんが他の女の子と付き合ってしまうのは嫌だった。

だって一年四カ月間もずっと好きだったんだよ。勇気が出なくて、それでもやっと昨日告白できたんだ。

結果はどうあれ、きっぱり決着をつけなきゃ前に進めない。

だから──。

「青野さんって、いろいろ噂があったよね。美人だけどそれだけっていうか、中身が残念……無表情だし、人形みたい。青野さんがコジローくんを好きとか、ありえないから」

──ズキッ

よく知りもしない人にこんなふうに言われることには慣れている。でもなにも、わざわざ斎藤くんの前で言わなくてもいいんじゃないの?

「コジローくんには、あたしのほうが合ってるよ」

悪意たっぷりの言葉が、あたしの胸にグサッと突き刺さる。

「青野さんと一緒にいても、絶対につまんないでしょ」