「ど、どこまでって……っ!」
恥ずかしくてそんなこと言えるわけない。
思わず顔がカーッと熱くなるのを感じた。
「照れてる〜、かわいい。一度許すとその先は早いっていうから、気をつけてね」
「……っ」
恋愛上級者のそのセリフに、あたしはただただ赤くなるばかり。
咲彩がそんなこと言うから、斎藤くんとのキスシーンを思い出しちゃったじゃん。
恥ずかしくて、全身から火が出そう。
付き合って二週間経つけど、未だに斎藤くんの前では緊張してしまう。
「あたしの知らない叶ちゃんになっちゃったら嫌だよ!」
「な、なに言ってんのっ。ならないからっ!」
恥ずかしいからホントにやめてほしい。
一度そんなことが浮かぶと、なかなか頭から離れなくて……。
バスケの試合を観戦しながら、さらにドキドキしてくる。
この前、しなやかな筋肉がついたあの腕に抱きしめられたんだよね。
キラキラまぶしい人気者の斎藤くんと、ホントにキスしちゃったんだ……。
形がよくて血色のいい斎藤くんの唇。
思わず自分の唇を指でつまんで、小さくため息を吐く。