戻ったのは放課後になってからで、教室の中はオレンジ色に染まっていた。
あれから空き教室で、ぼんやりしていたらこんな時間になってしまっていた。
なにやってるんだろうって、自分でもすごく情けないと思う。
授業をサボったのも、今日が初めてだ。
斎藤くんを好きになってから、ううん、付き合うようになってから、振り回されてるな、あたし。
その時、窓から風が吹いてきて、ペラペラッと紙がこすれる音がした。
音の正体をたどると、開きっぱなしになった日誌が机の上に置きっぱなしになっていて。
どうやら、それが風をはらんでペラペラとめくれていたようだ。
教室には誰も残っておらず、もしかして、この日誌は日直が忘れて帰ったのかもしれない。
中を見ると書き終わっていたので、あたしは日誌を閉じようとした。
でも、今度は強めの風が吹き、ペラペラペラペラとページが何枚もめくられる。
そして、ある日の誰かの書き込みが目に飛びこんできた。